1.中心市街地の活性化について
始めに、私は、中心市街地とは、何かと考えたときに、古くから商業や業務などの様々な機能が集まり、町並を形成し、人々の生活や娯楽や交流の場となり、長い歴史の中で独自の文化や伝統をはぐくみ、その街の活力や個性を代表する「その街の顔」とも言うべき場所であると考えます。
安城市は、平成12年に「安城市中心市街地活性化基本計画」を策定しましたが、その折りにJR安城駅を中心にした南明治地区から北明治地区にかけての約160ヘクタールの地域を中心市街地と位置づけています。この地域には、50年の歴史と市内外から100万人以上の人々で賑わう安城七夕まつりがあり、安城駅とともに発展してきた街であります。現在のJR安城駅周辺のこの地域は、長期間にわたり、安城市の歴史とか文化・伝統の要として、市民の心のよりどころとして、また、「安城の顔」として存在してきた、正に安城の「中心市街地」と言えます。
しかし、近年、安城市を含む多くの都市で商業を取り巻く環境の変化や後継者不足、中心部での人口の減少と高齢化などを背景に中心市街地の衰退や空洞化の問題が起こっていることは周知の通りであります。安城市の場合、更生病院の移転がさらに深刻の度を深めています。このままでは、近い将来「安城の顔」が消えていってしまうかも知れません。
私もこの中心市街地の衰退の進行の深さと早さを深刻に受け止め、この窮状を強く訴え、一刻も早く対策を講じていただくことが急務と考え、新人議員でせんえつかと思いましたが、今回の一般質問をさせていただくことになりました。
中心市街地の活性化にあたり、商店街の活性化ももちろん重要ですが、それだけではなく、区画整理や再開発によって、空き店舗や公共施設の活用によって、これからの時代のニーズに適した地域コミュニティの中心として再生し、この街に元気を取り戻し、「安城の顔」として、そのエリアに住む人々は、もちろん、安城市民が誇りの持てる街を再生しなければならないと考えます。
「南北明治地区全体が中心市街地」との考え方を踏まえまして、ご質問をさせていただきます。
(1)南明治地区土地区画整理事業について
まず、南明治地区の市街地整備事業ですが、現在、南明治土地区画整理準備委員会とまちづくり協議会が中心になって、御幸本町・花ノ木・末広の3つのまちづくり協議会で大いに勉強と議論がされながら、区画整理事業が進められようとしています。そして、この4月4日に都市計画決定がなされました。これから、正に総論が終わって各論に向けて、いよいよ事業計画を作成し、仮換地の調整に入り、区画整理を進めていく上で用地の確保のために代替地のあっせんを行っていくと思われます。また、密集住宅市街地整備促進事業におけるコミュニティ住宅の調査も実施されて、コミュニティ住宅の建設案も見えてきたと思います。この南明治地区の土地区画整理事業の進捗状況と今後の見通しをお聞かせ下さい。
また、この区画整理事業によって、低層の木造賃貸住宅が中高層の共同住宅に建て替えられることと公園の整備によって住環境が向上し、優良な住宅地が多く供給されることによって、将来的にこの地区に居住者が増加することが予想されます。それに伴って、住空間と商業空間をうまくゾーニングするなどして事業用の環境もより良好なものに整備できると考えられます。人口の推移の予測も含めて、この南明治地区におけるゾーニングなどの考え方や都市基盤整備の計画をお聞かせ下さい。
(2)北明治地区の生活環境について
次に北明治地区の生活環境について、ご質問させていただきます。
JR安城駅北側の中央精機本社工場のある場所に大型マンションが建設される予定です。この大型マンションが完成しますと、計画上、377世帯、約1,100人の住民が居住することになり、人口の増加とともに通勤時における周辺地域の交通渋滞など生活環境が大きく変わることが予想されます。
北明治地区におきまして、岡崎半田線道路の計画や下水道工事などの生活関連環境整備事業が進行中でありますが、地区の生活環境を考えた整備事業の充実が重要と考えます。
その生活関連環境整備事業の一環としてJR安城駅東側踏切の歩道の設置工事も進行中とのことですが、私は、先程来お話ししていますように南北明治にわたるエリアを中心市街地として考えていますので、南北明治間の回遊性を高めるためにも、安全性の確保という意味でも非常に良いことだと思います。今回のトヨタ自動車による大型マンションや市営大東住宅の改装工事によって、結果的に大きく人口の増加が予想されます。できれば、JR安城駅西側に改札口を設置すると共に、デッキを拡張し、陸橋のようなもので容易に往来ができるようにすると、さらに、JR安城駅を軸にした回遊性が確保できて、中心市街地の活性化に繋がるのではないかと考えます。
中心市街地の活性化という観点から、人口の推移に伴う北明治地区の生活環境の変化にどう対応していかれるおつもりなのか、お聞かせ下さい。
また、中央精機社員駐車場のあるところに地域交流拠点を計画していかれるとのことですが、具体的な施設の計画があればお聞かせ下さい。
(3)空き店舗対策について
次にJR安城駅周辺の空き店舗対策ついて、ご質問をさせていただきます。
更生病院が移転してからというもの、客足もめっきり減り、長引く不況も追い打ちをかけ、シャッターを閉める店舗が後を絶ちません。さらに、今年10月には、駅前ユニーも撤退するとのことで、主に生鮮食品をユニーで購入していた周辺で暮らしている高齢者に対する打撃は、大きく、ますます地域住民が不安を募らせています。そして、反対に風俗店の増加が目立つようになったことは、周知の通りです。それにともない、学校側も女子生徒に配慮して、通学路を再検討するといったお話もお聞きます。「安城の顔」とも言うべき中心市街地が本来の姿を失い、安全で安心なまちづくりを推進していく上でとても憂慮すべき事態であると考えます。高齢者や子どもや女性に優しいまちづくりを推進する立場からも、まちづくり条例のようなものを制定するとか、早急に、かつ、真剣にこの問題に取り組み、空き店舗や風俗店の進出に対する対策を考えなければならないと思います。
そんな中、本年、5月1日に安城商工会議所が認定推進事業者として安城市TMOが設立されました。チャレンジショップも頑張って営業しているようですし、コミュニティービジネスを活発に展開し、この空き店舗対策にとても効果的であると思われます。
今後、TMOが中小小売高度化事業などのハード事業を展開し、また、タウンマネジメント機関であるまちづくりAnjoがソフトの部分でブレインとして活躍することを期待いたしますが、安城市としては、どのように関わり、また、どのような支援をしていくおつもりですか?空き店舗対策や風俗店対策と併せてお聞かせ下さい。
(4)更生病院跡地の利用計画について
次に解体工事も終了し、更地になっている更生病院跡地について、ご質問をさせていただきます。
最近、御幸町内会・振興組合が中心となって、「更生病院の跡地を考える会」が発足し、独自にこの問題を取り上げ、勉強しながら、効果的な跡地の利用計画を考えようと動き出しました。この更生病院の跡地利用計画は、周辺に住む方だけでなく、安城市民全体の大きな関心事であると言えると思います。
日に3,000人の来街者があったと言われる更生病院が移転してからというもの、街の衰退の状況は、前述の通りでありますが、早く更生病院跡地の利用を決定して欲しいという街の大きな声があります。もちろん、跡地の利用計画を決定したからと言って賑わいがすぐ戻るとは、考えにくいですが、唯一一筋の希望を持って期待していると解釈していただきたいと思います。また、更生病院の跡地利用計画の内容が明確にされることによって周辺住民や地権者の皆さんの将来のまちづくりへの参加に対して意欲が高まり、この土地区画整理事業がスムーズに推進できることに繋がると考えます。
現在、安城市としては、今年8月の安城七夕まつりのメイン会場として、一時的に使用し、年内には、暫定広場としての整備が進められるとのことです。その後の跡地の利用計画は、中心市街地の活性化への長期的なシナリオを見据えて考えていく必要があると思います。
しかし、短期計画的な使用についても、暫定的な利用実施機関、例えば、更生病院跡地利用実行委員会のような機関の速やかな設置を行い、解放していくべきであると考えます。
この最も大きな関心事である更生病院の跡地の今後の利用計画についてお答え下さい。
(5)安城市中心市街地活性化基本計画の推進について
そして、安城市中心市街地活性化基本計画の推進についてでありますが、この中心市街地の活性化につきましては、平成8年から、様々な形でこの中心市街地の問題について、調査研究され、議論され、ビジョンが提言されて参りました。そして、平成12年に安城市中心市街地活性化基本計画が策定されました。タイトルが「安城ルネッサンス、生活文化回廊を実現に向けて」であります。正に今から、安城市中心市街地活性化基本計画を実現に向けて大きく動き出すべきであると考えます。
名古屋への通勤圏である土地の利や市役所等の公共施設が集積している利便性を活かし、区画整理や再開発をうまく利用して、地域住民も含む多くの安城市民がJR安城駅の周りを回遊したくなるような回廊構想・コリドール構想を一刻も早く実現していただきたいと考えます。
私は、3年前にドイツで1992年に環境都市に選ばれたフライブルク市を視察しました。フライブルク市は、安城市とほぼ同じ人口17万人の古い大学のある学園都市です。街には、緑と花があふれ、ベッヒレと呼ばれる石組みの小川にきれいな水が流れるとても美しい街です.
自動車でやってくる来街者は、市街地の外でバスや市電などの公共機関に乗り換えて市街地に入るというパークアンドライドシステムが徹底しています。
歩道と自転車道も区切られて、人が優先のまちづくりとなっていて、自然と歩きたくなって、回遊したくなるまち、自転車に乗ってみたくなるまちです。安城市の中心市街地もこのような街になればと期待していますが、安城市中心市街地活性化基本計画にも市民の交流拠点の場となる更生病院跡地、買い物ネットワークのあるショッピングモールの中央商店街、水と緑と花のあふれる追田川プロムナードなどのつながりをあるまちづくりを行い、回遊環境の整備が盛り込まれています。是非、この中心市街地も水と緑と花のあふれる、自然と散歩したくなるようなまちになることを希望します。
さらに、昨年11月に学園都市構想諮問委員会が立ち上がり、安城市に似合った学園都市構想を議論されています。今年2月には、市制50周年事業の一環として生涯学習フォーラムを開催し、全国から生涯学習の専門家をお招きして、生涯学習について研究しました。その生涯学習のノウハウを活かした学園都市構想も包括的に勘案しながら、この中心市街地の活性化を図っていって欲しいと考えます。
前述の中心市街地の人口推移予測、もちろん、昼間人口や年齢別人口の推移や産業状況などを見通し、回遊性を優先した長期的な展望を描きながら、TMOやまちづくりAnjoによるハード事業とソフト事業を組み合わせて商店街の活性化を効果的に行い、中心の核となる更生病院の跡地にこの時代のニーズに適した利用計画を立案して、生涯学習を通した子どもから大人まで元気に学べて、市民の交流が活発にできる中心市街地の再生を成し遂げて欲しいと考えます。
そのためにもJR安城駅を中心とした周辺の中心市街地の総括的な調査分析機能を持つ機関の設置が必要ではないかと考えますが、如何でしょうか?
特にこの更生病院跡地の利用計画は、「安城の顔」として安城のシンボルとなるランドマークを造るとともに、文化・交流・福祉・学習・情報等に関する機能をもった中心市街地として再生して行くためにも、特に重要な懸案であると言っても過言ではありません。ですから、更生病院の跡地利用計画につきましては、優先的に実施すべき重要な事業として捉えていただき、是非、第7次安城市総合計画に盛り込んでいただきたいと考えます。
この安城市中心市街地活性化基本計画の実現に向けての方針をお聞かせ下さい。
2.NPOボランティアへの支援について
続きまして、NPOボランティアへの支援について、ご質問させていただきます。
神谷市長は、以前より、NPOを含むボランティアグループや市民団体の活性化を支援するために、NPOボランティアの拠点造りの必要性に関して言及されておられます。そして、本年度から市民活動課が誕生したこともNPOボランティア支援に大きく動き出した証拠であり、神谷市長の行動力に心より敬意を表したいと思います。ボランティアグループや市民団体も非常に心強く感じ、多いに期待をしていると思います。
安城市としましてもどういった種類のボランティアグループがどの位あるかは、調査していますし、数も把握してみえると思います。しかし、まず、それぞれのボランティアグループがどういったことに困っているのか、どういった支援がして欲しいと考えているか、行政ができる支援のニーズを把握するための調査をして欲しいと思います。
私は、3年間、安城まちづくり市民会議の議長を仰せつかり、様々なボランティアグループや市民団体の方々と情報や意見の交換をさせていただきました。多くのボランティアグループは、共通の問題として、恐らく広報と場所と経済的な問題を持っていると思います。
広報の問題は、素晴らしい事業を行なおうとしても人集めの手段が乏しく、せめて、安城市や教育委員会が後援したような事業は、広報あんじょうや回覧板などの方法で支援してあげて欲しいと思いますし、場所の問題は、既存の公民館のような施設の開館時間を延長するなどの方法で、ご配慮をいただき、是非、そのようなボランティアの拠点づくりを各地に進めていただきたいと強く希望します。例えば、現在、クリエーションプラザは、夜遅くまで利用できることと自由に多目的に使用可能なメリットもあって、市民の間では、便利でとても活用されています。特に夜遅くでないと集まれない商店街の方々には、活動と交流の拠点としてとても重宝がられています。できれば、そういった拠点もボランティアグループに運営を任せられれば、多くのボランティアグループは、時間に拘束されずに活動できるだけでなく、自然と拡がりとネットワークができて、レベルも高くなっていくと思いますし、事務局も兼ねることができれば、経済的な負担も軽減されると考えられます.

前述のドイツのフライブルク市にある郊外の公園には、環境NPO団体が運営するエコステーションという環境学習の場があります。そこで環境ボランティアの方が子ども達に環境保全や自然エネルギーについて教えます。ほとんどの市民が環境意識が高いのも子どもの頃からの環境教育の役割が大きいと思います。例えば、デンパークにも環境ボランティアの拠点を設けて、子ども達に環境教育をしてもらっても良いと考えます。
行政が補いきれないところを小回りの利くNPOボランティア団体に隙間を埋めるようにうまく任せることが理想的だと考えます。そういった部分をNPOボランティアや市民団体に委託していくべきであると考えます。NPOボランティアに対する拠点整備や支援策について、具体的にお聞かせ下さい。
3.愛知万博への取り組みについて
最後に愛知万博への取り組みについてでありますが、平成17年に開催されます愛知万博につきまして、今回は、愛知万博地域連携プロジェクトの中の一市町村一国フレンドシップ事業に関連してお尋ねいたします。
この事業は、市町村を参加国のホームシティ・ホームタウンと位置づけ、博覧会を盛り上げるとともに、国際交流の推進を図るものです。先日、ヨーロッパ訪問中の神田真秋愛知県知事がデンマークに対して、愛・地球博の参加を要請したという新聞記事がありました。その記事によりますとデンマークが参加する確率は、かなり高いと推察されます。
昨年、安城市は、デンマーク・コリング市と友好都市提携5周年を迎え、記念行事としてコリング市へ50本の桜の苗木を寄贈されました。この時に私も、デンマークの先進的な環境や福祉を学ぶための視察ツアーを企画いたしましたが、安城市の使節団・短期留学ツアー・デンパークのツアーが重なり、安城市民約60名と安城学園高等学校の演奏ツアーの先生と生徒の約140名の合計約200名がほぼ同じ時期にコリング市を訪問しました。そして、昨年の秋には、デンマークより、コリング市民合唱団の22名が来安し、安城まちづくり市民会議の主催した安城市民音楽祭に参加しました。デンマークとの交流は、民間レベルで大いに進んでいますし、今後もさらに交流が進むことが予想されます。
市民ボランティア団体の中にも積極的にデンマークとの交流を進めようとしているグループもあります。今後、「日本デンマーク」と言われた安城市として、この愛知万博連携プロジェクトの中の一市町村一国フレンドシップ事業に対して、また、コリング市を含めたデンマークに対して、どのように取り組まれていかれるのかをお聞かせ下さい。